世の多くの女性が経験し、悩まされているのが更年期障害です。更年期にさしかかると実にさまざまな症状が現れ、ときには日常生活に支障が出ることもあります。更年期障害のつらい症状を軽減する方法として、漢方がよく用いられています。この記事では更年期障害に関する基本知識を説明するとともに、よく用いられる漢方薬の種類も紹介しますので参考にしてください。
漢方の千幸堂薬局では『更年期障害の漢方相談』にメールやLINEで対応しているのでお問い合わせください。
更年期障害について千幸堂の4つのアプローチ
更年期なんてなかったわ!という方もおられます。しかし、そんな方のそばで、黙って苦しんでいる人がいかに多いか。
ヨーロッパでは、更年期症状により離職する女性を減らそうと国民的な運動が始まっています。更年期障害は様々な症状が出ること、個人差が大きいことから、理解してもらいにくいのです。
現在の治療としては西洋医学のホルモン療法が主流となります。
しかし、それは一時しのぎになってしまいます。また副作用も多く、治療を続けることが難しいこともあります。
更年期症状があらわれている本当の理由は、腎虚や肝虚により、気、血、水のバランスが崩れているからなので体質別に漢方でアプローチします。
また、更年期症状を出にくくする栄養素も考慮し、食事バランス、栄養素からもアプローチし、さらに、精神的アプローチカウンセリングも行っております。更年期に負けず自分らしい人生を送るために体質改善していきましょう。
更年期治療と漢方は相性が良い理由
西洋医学で行われるホルモン補充療法なども、更年期障害の治療に効果が期待できます。ただ、漢方も更年期障害に対しては相性がいい方法です。なぜ相性がいいと考えられているのか、理由を知っておきましょう。
末病をケアできる
漢方は「未病」ケアができるメリットがあります。未病とは、はっきりとした病名がつかないものの、なんらかの不調がある状態です。西洋医学では通常、病名がつかない状態は治療の対象にはなりません。しかし、漢方医学でははっきりとした病名がつかない未病の状態でも、放置しておけばやがて病気になりかねないと考えます。
漢方薬は本来その人が持っている自然治癒力を高め、体質の改善につなげていくため、未病とされる不調の改善も目指せるのが特徴です。
からだ全体の調子を整えられる
漢方医学の考え方では気・血・水のバランスが取れ、うまく循環している状態を正常と考えます。漢方薬は人間の体を構成する基本的要素の気・血・水を正常に保つよう働きかけるため、更年期にバランスが崩れがちになる体調をバランスのいい状態に整えるのに効果を発揮します。
しかも、漢方薬は根本からの改善を目指すものであり、一つの症状だけに働きかけるわけではありません。全身を診て体や心を一つのものとして捉えたうえで処方される漢方薬は、さまざまな不快な症状に対応できます。
まずは更年期障害について知ろう
まずは更年期障害の基本知識として、更年期障害とは具体的にどのような状態を指すのか、どのような症状が現れるのか詳しく説明していきます。
更年期障害とは
まず更年期とは、女性が閉経を迎える前後約10年(45~55歳)の時期を指します。日本女性が閉経を迎える平均的な年齢は50歳前後です。50歳前後になってくると徐々に卵巣の働きが低下し、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が急激に減ってきます。
更年期障害を引き起こす原因自体は、完全に明らかになっていません。ただ、一般的にはホルモンバランスの低下と、それに伴って現れる自律神経の乱れが原因だといわれています。
ホルモンバランスが乱れると体がついていけず、さまざまな不調が起こります。現れる症状にはさまざまなものがあり、不調の総称が更年期障害です。
更年期障害の症状
更年期障害の症状としてよく知られているホットフラッシュをはじめ、実に多様な症状が現れる可能性があります。
- 血管運動神経症状
- ホットフラッシュほてりやのぼせ(特に上半身)突然の発汗動悸や頻脈
- 手足の冷え
- 耳鳴り
- 精神神経症状
- イライラ
- 不安
- 抑うつ
- 落ち込みやすくなる
- やる気が起きない
- 集中力が低下する
- 焦燥感がある
- 頭痛
- 生殖器系の不調
- 不正出血や
- 月経量の異常
- 運動器関係の症状
- 肩こり
- 関節痛
- 消化器系の症状
- 食欲不振
- 吐き気
- 泌尿器系の症状
- 頻尿
- 尿漏れ
- 排尿痛
- 残尿感
- その他の症状
- 知覚過敏
- しびれ
- 肌の乾燥
- シミ・シワ
7年ごとの女性の体の変化について
漢方医学では女性のライフステージに7年ごとの節目があり、そのタイミングで体や心にも変化が起こると考えられています。例えば生まれてから7年経てば小学校入学で環境に変化があり、それから7年後の14歳くらいがちょうど初潮を迎える時期です。
身体的、性機能的には28歳頃がピークだといわれ、35歳頃になれば肌や髪などに衰えを感じ始めます。42歳くらいになる頃にはさらに衰えが気になり、白髪が目立つようになってくる人もいるでしょう。
さらに7年後の49歳は、まさに閉経が起こるタイミングと重なり、更年期障害に代表される不調が現れやすい時期です。
西洋医学と漢方医学!更年期障害の治療はどう違う?
西洋医学と漢方医学では、同じ更年期障害に対する治療でも考え方やアプローチの方法に違いがあります。ここではそれぞれの考え方や具体的な治療方法について説明します。
西洋医学
西洋医学では、更年期障害の治療として低用量ピルを服用したり、ホルモン補充療法(HRT)を行ったりするのが一般的です。閉経が近くなると女性ホルモンの分泌が急激に低下することが、そもそも更年期の原因だといわれています。
ホルモン補充療法は、減少した女性ホルモンのエストロゲンを薬で体内に補充する治療方法です。ホルモン補充療法では飲み薬のほか、パッチ剤を貼ったりジェルを塗ったりなど、皮膚から吸収させる方法もあります。
ホルモン補充療法では、エストロゲンの分泌が不足することで現れるホットフラッシュなどの症状を軽減する効果が期待できます。ただし、抑うつなどの精神神経症状にはあまり効果がありません。そのため、精神神経症状に対処するためには、症状に応じて抗うつ薬や抗不安薬、不眠の場合は睡眠薬などを使います。
ホルモン補充療法は長期間継続すると月経前に感じるような胸の張りや不正出血などが起こるケースがあるほか、乳がんのリスクも高まるといわれているため、がん検診を定期的に受けるなど注意が必要です。
漢方医学
西洋医学とは違って漢方医学では「気・血・水」という独特な考え方があり、体は気・血・水の循環がうまくいくことで維持されていると捉えます。気は生命活動エネルギーを支える気力や活力、血は血や肉などの物質面で体を支える身体材料、水は体を潤す体液などの水分です。
漢方医学では気や血、水のどこかに異常があれば体調にも現れると考え、不調を探っていきます。例えば肩こりは血の流れが滞って起こる、むくみは水が滞る、のぼせやほてりなどは気の流れに異常が起こるなどが具体的な例です。
漢方医学の診療では明らかに不調が出ている箇所だけに注目するのではなく、「四診」と呼ばれる方法で全身を診ます。薬は現れている症状だけではなく、その人の体質や体格なども考慮に入れたうえで処方され、合えば不調の軽減に効果が期待できます。薬が合わずに効果が感じられない場合は、別の漢方薬を試すなどの対処が必要です。
更年期障害に使われる漢方の種類
更年期障害に対して実際によく使われる漢方には以下の3つがあり、「三大漢方婦人薬」と呼ばれています。
その一つが冷えや貧血、めまいなどに効果が期待できる「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」です。頭重感が強い症状に悩まされている人にも、当帰芍薬散が処方されます。
イライラすることが多い、不眠に悩まされているなどの神経症状や、肩こりなどの緩和に対して用いられるのは「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」です。
滞った血の巡りをよくする「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」は、重い肩こりや多汗などに用いられます。
三大漢方婦人薬ではありませんが、「桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)」もよく更年期障害に使われる漢方の一つで、イライラや興奮、のぼせなどに効果的だといわれています。
しかし、今の方は、症状が複雑な方が多いため気、血、水すべてのバランスが取れている「芎帰調血飲第一加減(キュウキチョウケツインダイイチカゲン)の体質の方が多いです。病院では処方されない漢方のため、ぜひ、漢方の相談薬局の漢方をお試しいただきたいです。
漢方についての理解を深め、心身ともに健康な状態を目指してみましょう。
更年期障害の症状は西洋医学でも改善することは多いですが、症状によっては漢方からのアプローチが有効的な場合もあります。
豊富な種類の漢方薬を個人に合わせた処方をすることで、更年期障害改善の最短距離になることもあるでしょう。
中には、更年期前の月経過多で血液をたくさん消耗され、血虚や、貧血になられている方が多いです。血が少ないと不眠やうつ、冷え症などの症状が出やすくなります。しっかりとアミノ酸ビタミン鉄分を補給することで、更年期の症状が一段と軽くなることもあります。
栄養学的なアプローチは薬ではないので皆様から安心できると好評です。
自分で適切な漢方を選ぶのは難しくありますが、千幸堂にご相談いただけた場合、丁寧な問診ののち、体質に合った漢方や栄養素をお選びします。ご相談ください。
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