動悸は不整脈を発症している高齢者に多い症状ですが、若い人でも動悸が起こることは珍しくありません。生命活動の中心部である心臓に出る症状なので、動悸が起きると不安感に襲われる人も多いのではないでしょうか。ここでは、動悸の症状や原因、動悸が出ている際の体の状態や対処法を、漢方治療の目線でご紹介します。
動悸について千幸堂の4つのアプローチ
急に突然心臓の音が大きく聞こえ、激しくなると、このまま倒れてしまうのではないかと不安になります。また、自分の脈が不安定になり、時々飛んでしまうことがわかると心臓の働きが悪いのかと心配にもなります。他にも、坂道を上がったり、重たいものを持ったりしたときに起きる慢性的な動悸もあります。
自然の中にも体に優しい心臓の働きを助ける成分がある
動悸が気になれば、心電図や血液検査して、心臓の病気を見つけることが大切です。貧血が原因のこともありますし、栄養バランスが悪くカルシウムやカリウムのバランスが悪いことでも起こるからです。
診察を受けても、原因がわからない時や、動悸が不安な時には漢方をお勧めいたします。そのままほっておいては、毎日不安な気持ちが残りますし、漢方で対応することができるからです。
例えば、牛黄と言って牛の胆石が心臓の強心作用がある生薬として知られています。西洋薬のお薬と違い、予防にも使えてそして即効性があるので、ぜひ試していただきたいです。また、センソと言ってガマの油も心臓の働きを助けます。
このように自然の中にも体に優しい心臓の働きを助ける成分があるのです。血虚と言って血の成分が少ない方がこれを服用し続けると副作用が出ることもあるので、是非一度、飲む前に、専門家に相談してください。
動悸が起きたときに漢方を使うメリット
動悸が急に起きても、対処法を知っていれば不安感を軽減することができます。以下、動悸が起きたときの対処法を紹介します。
落ち着いたら病院に行く
動悸は生命活動の中心部である心臓に出る症状です。病的な不整脈が原因の場合、突然死もあり得ます。症状が出ているときは安静にして、落ち着くのを待ちましょう。深呼吸や、首の動脈や両目を優しく押すことで和らぐ場合もあります。病的な不整脈ではないか確認するためには、西洋医学的な診断や治療が必要です。特に、動悸が頻発したり安静にしていてもドキドキしたりする場合は、まず内科や循環器科で心電図検査や血液検査などを受けましょう。
漢方を試してみる
未病とは、西洋医学的には異常がなく病気とは言えないが、だるさや食欲不振などの軽い症状がある状態です。動悸も未病の人に起こりやすい症状の一つで、動悸を理由に病院に行ったものの異常なしと診断された人が20代から50代まで多くいます。西洋医学は既に病気にかかった場合の即効的な治療を担っていますが、東洋医学は未病の治療や健康な人の病気予防、健康維持を得意としています。漢方薬を使って自然治癒力や免疫力を引き出すことで、病院の診断では異常がない未病にアプローチすることが可能です。
また、漢方学では、心臓だけでなく他の臓器との関わりも考え、体全体のバランスを整えることを目指しています。病気が判明した場合、西洋医学の治療と漢方を併用することも可能です。まず漢方を試してみるという選択肢は、健康である場合や動悸が未病のサインであった場合、病気に足を踏み入れている場合のいずれであっても効果を期待できます。
動悸とは
一口に動悸がするといっても、心臓がどのような状態になったら動悸と呼ぶのか、定義が曖昧な人もいるかもしれません。常に動いている心臓がなぜペースを崩すのか、改めて考えると不思議です。まずは、動悸の症状と原因を紹介します。
症状
動悸とは、心臓が不快感や不安感を覚えるような拍動をしている状態のことです。通常の拍動と異なっていて違和感を覚えるような状態であれば、全て動悸に当てはまります。そのため、動悸を起こしている状態には「心臓がドキドキする」、「脈が飛ぶ」など、さまざまな表現があります。不整脈による発作で1分間に140~150回も脈打つような状態は、その最たる例です。
激しい運動をしたり、精神的に興奮したりした際に拍動が早くなる状態も広い意味では動悸に当てはまるため、動悸自体は病気ではありません。しかし、心当たりがない場合や、長く続く場合、頻度が多い場合は、心臓病の症状の一つである可能性もあります。
原因
病気ではない場合の動悸の原因には、激しい運動や精神的興奮などの生理的要因、ストレスなど精神的要因などがあります。ストレスで冠動脈が一時的にけいれんしたり、自律神経が乱れたり、過度に緊張したりすると、心臓や体全体に影響が及び、動悸が起こります。更年期障害や貧血は、女性に多い動悸の原因です。
貧血になると酸素を運搬するヘモグロビンの濃度が下がり、体に負担がかかるため動悸が起こります。更年期になりエストロゲンが減少すると、自律神経が乱れ、大きなストレスを受けたような状態になります。
病気による動悸は、不整脈や心不全、高血圧症などが原因のこともあります。この中で不整脈は加齢とともに発症する人が増え、女性よりも男性に多い傾向があります。
漢方における動悸の考え方
西洋医学でも漢方学でも、病気やその症状には名前がつけられます。しかし、漢方学における状態や治療法などの用語は、聞き慣れないものもあるかもしれません。動悸が出ている状態は漢方学的にどのように表すのか説明します。漢方学における動悸の症状が出る状態は、主に以下の4つです。
心火
心とは、心臓そのものと精神活動が一つになった、東洋医学独自の概念です。その心が高ぶって興奮し、心の状態が火熱した状態を心火と呼びます。イライラしたり頭に血が上ったりして、不安や焦りなどを感じている状態です。それにより多くのケースで、心拍数の増加、発汗、不眠、血圧の上昇などを併発します。心火の治療には、三黄瀉心湯や牛黄清心丸などの漢方が使われます。
三黄瀉心湯は黄連、黄ごん、大黄の三種類の「黄」のつく生薬で作られた漢方薬で、心を落ち着かせてイライラを鎮める効果を持つ薬の中では代表的な存在です。牛黄清心丸は古くから血液循環器系の改善を目的として用いられてきた薬で、動悸を含む高血圧に伴う症状に効果があります。
水飲凌心
水分過剰によって代謝がしきれず、心を邪魔している状態が水飲凌心です。心臓の機能が低下して心不全状態となり、多くは血行障害や下痢、便秘、吐き気、冷え、めまいなどの症状を併発します。水飲凌心の治療には、苓桂朮甘湯や六君子湯などが使われます。苓桂朮甘湯は水分の停滞を取り除く薬で、貧血や立ちくらみによって動悸が起きる人におすすめです。
女性は鉄分不足や筋肉量の少なさから慢性的に冷え症や貧血の傾向がある人が多いので、こうした症状がある人は特に効果が期待できます。六君子湯は、胃腸に効果のある六種類の生薬で作られた漢方薬です。胃腸の働きや水分の停滞を改善し、消化不良などに効果があります。
心虚
心虚とは、心の機能が低下し、心身ともに弱った状態です。体を温める力が弱くなり、血行不良により動悸が起こります。疲れや不眠、不安感、食欲不振などメンタルの不調から来る症状が多いのも特徴です。
心虚には人参製剤などが使われ、薬用人参を主薬としたものが人参湯です。人参には体力低下による全身の倦怠感や食欲不振を取り払い、滋養強壮をサポートする効果があります。
心血悪阻
心血悪阻とは、心の血の巡りが悪く、血がドロドロしている状態を指します。ストレスや食習慣なども関係していることが多く、酒や肉料理を多く摂取する人がなりやすい点が特徴です。顔色の悪さや胸痛などの症状を併発する場合が多く、古くなった血液が血管の一部に溜まってしまう瘀血の症状が出る場合もあります。舌の裏側にある静脈が怒張してどす黒くなる状態は、瘀血の最たる例です。
漢方についての理解を深め、心身ともに健康な状態を目指してみましょう。
動悸があっても病院の診断では原因がわからない場合、病気の前段階である未病の可能性があります。その場合は、健康維持や未病を病気にならない段階での治療ができる漢方が効果的です。千幸堂の漢方相談は一人一人の体の悩みに寄り添い、それぞれに合った漢方薬や自然薬を提案しています。女性スタッフが常駐し、女性の体の悩みや他の薬との併用に関するアドバイス、その他不安なことも気軽に相談できる体制を整えています。
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