ストレスも涙も、体からのメッセージとして受け取る
泣きたくなる日がある。理由もわからず、胸の奥がふっと重くなる朝がある。
皆さんは、そんな経験はありませんか。
私は最近、ふとしたことで涙もろくなることが増えました。テレビを観ていて、お客様のお話を聞いていて、急にじわっとくる。「歳のせいかしら」と最初は思っていたのですが、漢方の勉強を続けるうちに、少し違う見方ができるようになりました。
涙は、体のメッセージ
東洋医学では、春は「肝」の季節といわれます。肝は「目」と深くつながっていて、感情やストレスとも関係がある。だから春になると、目の疲れやイライラ、涙もろさが増えるのは、実はとても自然なことなのです。
泣くことは、弱さではありません。体が「ちょっと休んで」「溜まったものを出して」と伝えてくれているサインです。涙にはストレスの原因となる物質を体の外に流し出す働きがあるともいわれていて、泣いた後に気持ちがすっきりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
つまり、泣くことは心のデトックス。ため込んだ思いを、静かに体の外へ送り出す行為なのだと思います。
泣きそうな時の、小さな味方
以前、ある漢方の先生がこんなことをおっしゃっていました。「泣きそうな時は、金柑をひとつかじってみてください。」
実際にやってみると、小さな果実の皮を噛んだ瞬間、ほのかな苦みと甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。ふっと香る柑橘の匂いが、張りつめていた胸の奥をやさしくほどいてくれるような気がしました。
金柑は東洋医学では「理気」の食材といわれ、気の巡りを整えてくれるとされています。泣きたい気持ちを抑え込むのではなく、気持ちをふわっとゆるめてくれる。そんな小さな味方です。
食べることは、体を大切にすること
金柑だけでなく、人参、そば、ナッツなど、身近な食材にも体を整えてくれる力があります。体を冷やさず、季節の食材を口にすること。それは「今日も自分の体を大切にしよう」という、自分自身への小さな約束のようなものだと私は思っています。
毎日の食事や生活習慣が大切なのは重々承知。でも、忙しい日々の中で完璧にするのは難しい。だからこそ、「金柑をひとつ」くらいの、小さなことから始めてみませんか。
泣いてもいい。そして、整える
疲れた時、心が沈む時、涙が出そうな時。そのすべてが「整えるチャンス」だと思います。
涙を拭いたあとに、金柑をひとつ。その甘酸っぱさが、あなたをやさしく日常に戻してくれます。
がんばる前に、整える。その小さな習慣が、心と体を少しずつ軽くしてくれるはずです。
千幸堂では、こうした季節ごとの体の変化に寄り添いながら、漢方や栄養素で皆さまの心と体を整えるお手伝いをしています。つらい時も、元気な時も、いつでもお気軽にお声がけください。
あなたの涙が、どうかやさしい癒やしの時間になりますように。







