─「栄養の渋滞」を抜け出す、肝臓からはじまる体づくりの話─
朝ごはんをしっかり食べた。お昼もバランスよく選んだ。なのに午後になるとぐったりして、階段を上るのが少しつらい。
「ちゃんと食べているのに、どうして元気が出ないんだろう」
そんなふうに思ったこと、ありませんか。
もしかしたらそれは、食べる量の問題ではなく、食べたものが「届いていない」だけかもしれません。
今日は、私がお店でお客さまにお話ししている中でも、特に「目からウロコでした」と言っていただくことの多いお話をさせてください。
栄養が体の中で渋滞を起こしている──そんな不思議な現象と、そこから抜け出すためのヒントです。
食べた量より、届いた量──本当の健康はそこで決まる
「何を、どれだけ食べるか」
健康の話になると、多くの方がまずそこに意識を向けます。テレビでも雑誌でも、「一日に何品目」「タンパク質を何グラム」といった数字が飛び交いますよね。
でも、長年お客さまの体と向き合ってきた私は、少し違う景色を見ています。
大切なのは「食べた量」ではなくて、「届いた量」
どんなに良い食材を選んでも、体の中でうまく変換されなければ、その栄養は素通りしてしまいます。
届くか、届かないか。その分かれ道にいるのが、肝臓という臓器なのです。
肝臓は、体の中の”小さな料理人”
肝臓のことを「沈黙の臓器」と呼ぶのは、皆さんもご存じかもしれません。
でも私は、もう少し親しみを込めて、こう呼びたいのです。
肝臓は、あなたの体の中にいる”小さな料理人”です。
胃腸が「食材を刻む」係だとしたら、肝臓は刻まれた食材を受け取って、体が使えるごちそうに仕上げてくれる料理人。
エネルギーに変えたり、血液の材料に変えたり、毒を取り除いたり。
毎日休むことなく、黙々と働いてくれています。
肝臓が元気なとき、栄養はスムーズに「代謝」されて全身に届きます。
お肌にハリが出る、髪につやが戻る、朝すっきり起きられる。
そういった「なんとなく調子がいい」という感覚の裏には、この小さな料理人の活躍があるのです。
ところが、この料理人が疲れてしまうと──。
どんなに良い食材を届けても、調理が追いつかず、そのまま余ってしまう。
これが「食べているのに元気が出ない」の正体です。
年齢とともに変わる、消化のちから
ここで少し、体の仕組みのお話をさせてください。
私たちの体には、食べ物を細かく分解するための「消化酵素」というものがあります。
この酵素、実は年齢とともにだんだん出にくくなっていくことが分かっています。
特に大きいのが、タンパク質を分解する酵素の変化です。
ある研究データによると、20代の分泌量を100としたとき、70代ではおよそ30程度──つまり約7割も減ってしまうのだそうです。
炭水化物や脂質を分解する酵素も減りはしますが、タンパク質の酵素がいちばん大きく減る。
これは、ちょっと驚きですよね。
タンパク質というのは、筋肉や血管、お肌、髪、爪、ホルモン、血液、免疫細胞……体のほとんどすべてをつくっている大事な材料です。
しかも脂肪のように「貯金」ができません。
今日足りなかった分は、今日の不調としてそのまま現れてしまう。
毎日コツコツ届け続ける必要がある、とても繊細な栄養素なのです。
「食べているのに足りない」は、もう始まっている
お店にいらっしゃるお客さまの中にも、こうおっしゃる方がいます。
「お肉もお魚もちゃんと食べてるのよ」
「プロテインも飲んでるの」
お気持ちは、本当によく分かります。
でも、消化酵素が減った体でたくさんのタンパク質を摂ると、分解しきれなかった分が腸の中にそのまま残ってしまうことがあるのです。
残ったタンパク質は腸の中でうまく処理されず、おなかが張ったり、体が重く感じたりする原因になることも。
いわば、「栄養の渋滞」が体の中で起きている状態です。
道路の渋滞と同じで、荷物(栄養)をたくさん送り込んでも、道が詰まっていたら届きません。
それどころか、渋滞が続けば道路そのもの──つまり、肝臓や腎臓が疲れてしまいます。
「ちゃんと食べているから大丈夫」と思っているときほど、実はこの渋滞が静かに起きているかもしれない。
そう考えると、少し意識が変わりませんか。
がんばりすぎる栄養補給が、体を疲れさせている
ここで少し、耳の痛い話をします。
「体にいいから、もっと食べなさい」
「プロテインを飲みなさい」
「タンパク質が足りてないのよ」
テレビや雑誌、インターネットで繰り返されるこうしたメッセージ。
決して間違いではないのですが、「消化できる量」を考えずにただ増やすことは、実はとても危ういのです。
お若い方なら、消化酵素がしっかり出ているので問題ありません。
でも、40代、50代、60代と年齢を重ねた体にとっては、一度に大量のタンパク質を送り込むことが、かえって負担になることがあります。
本当の敵は「栄養不足」ではなく、「消化できないのに詰め込んでしまうこと」。
つまり、がんばりすぎる栄養補給そのものが、体を疲れさせていたのかもしれないのです。
大切なのは、「たくさん食べる」ことではなく、「届く形で届ける」こと。
この発想の転換が、今日いちばんお伝えしたいことです。
“消化の壁”を超える、もうひとつの届け方
では、消化酵素が減った体には、どうやって栄養を届ければいいのでしょう
ここからが、私が千幸堂でずっとお伝えしてきた「もうひとつの届け方」のお話です。
タンパク質は通常、胃や腸で長い時間をかけて分解され、やっとアミノ酸という小さな形になって吸収されます。
そこで、アミノ酸という形で吸収されやすい形整えてあげると、消化酵素にほとんど頼らずに、すっと体に届くのです。
このアミノ酸の種類も必須アミノ酸をすべてそろえておくとすぐに体の中で使うことができるのです。
さらにこの必須アミノ酸を届けてくれるのが、肝臓加水分解物という成分を含んだ製剤です。
面白いのは、この成分が「届ける」だけで終わらないこと。
20種類のアミノ酸を届けながら、同時に肝臓そのものの働きをサポートしてくれる──つまり、料理人に食材を届けつつ、料理人自身も元気にしてくれるのです。
さらに、心臓エキスという成分が配合されていることで、心臓をしっかりと動かし、
代謝された栄養を血液にのせて体の隅々まで届ける力も助けてくれます。
肝臓で「つくる力」を、心臓で「届ける力」を。
この二つが揃ったとき、体の中の栄養の流れが、ようやくスムーズに動き出します。
「プロテインが重たい」と感じていた方の変化
千幸堂にお越しになるお客さまの中には、こんな方がいらっしゃいます。
「プロテインを飲むと胃がもたれて……」
「体にいいと聞いて続けていたけど、なんだかスッキリしないの」
そうおっしゃっていた方が、消化に負担の少ないアミノ酸の形で栄養を摂るようにされてから、少しずつ表情が変わっていかれることがあります。
「朝の目覚めが変わった気がする」
「なんとなく、顔色がいいと言われた」
もちろん、感じ方には個人差がありますし、すべての方に同じ変化があるとは申しません。
けれど、「食べているのに届いていなかった」栄養がようやく届き始めたとき、体は静かに、でも確かに応えてくれる──私は日々の相談の中で、そう感じています。
内臓に無理をさせず、必要なものを必要な形で届ける。
それは、若い頃のような「がんばる健康法」とはちがう、「大人の賢い一杯」という選択肢なのだと思います。
今日からできる、たったひとつのこと
ここまで読んでくださったあなたに、今日からできることをひとつだけ。
まず、ご自身の「消化のちから」に、少し意識を向けてみてください。
食後に胃が重い。おなかが張りやすい。プロテインを飲むともたれる。
もしそう感じることがあるなら、それは「もっと食べなさい」のサインではなく、「届け方を変えてみて」という体からのメッセージかもしれません。
千幸堂では、お一人おひとりの体質や年齢、生活習慣をお伺いしながら、その方に合った「届け方」を一緒に考えています。
「何を食べるか」の前に、「届いているか」を確かめる。
この小さな視点の変化が、これからの健康づくりの出発点になると、私は信じています。
春の陽ざしが少しずつ暖かくなるこの季節。
新しいことを始めるのに、ちょうどいい時期ですね。
体の中の”小さな料理人”を、少しだけ労ってあげる。
「栄養の渋滞」をほぐして、食べたものがちゃんと届く体へ。
大きなことをしなくても大丈夫です。
毎日の「一杯」が、あなたの体をやさしく整えてくれます。
つらい時も、元気な時も、千幸堂はいつもそばにいます。
気になることがあれば、どうぞお気軽にお声がけください。








