脂肪の分量が体内で、健康を損なうほど増えている状態を肥満と考えます。肥満には、単に食べ過ぎではなく、病気などの原因、例えば甲状腺の異常や副腎の弱りなどで肥満になる症候性肥満と、食べ過ぎやストレス、運動不足、気血水のバランスの崩れから起こる単純性肥満とがあります。
漢方薬でアプローチできるのは単純性肥満です。単に食事を減らして減量をするとかえって健康を損なう恐れがあります。東洋医学で体質を見極めて、体質改善とともに、代謝を上げる漢方と栄養療法を利用して健康的に減量していきましょう。
東洋医学では体質は8体質ありますが、その中でも湿熱体質、気滞体質、湿痰体質、脾虚体質、陽虚体質の5つの体質の人が肥満になりやすいといわれています。
ダイエットについて千幸堂の5つのアプローチ
東洋医学と栄養学の観点からのアプローチを紹介していきます。
東洋医学的に肥満の原因を上げると1.遺伝性、2.飲食不摂生、3.加齢、4.運動不足、5.便秘となります。
- 遺伝においては、脾胃の強さから、食べ過ぎる傾向があります。漢方で脾胃のバランスを整えていくことで食べ過ぎを調整することができます。
- 飲食不摂生はストレスなどで気の巡りが悪くなり、食欲旺盛になる傾向が出てきます。漢方でストレス対応することで異常な食欲を抑えることができます。
- 加齢においては特に更年期後の女性は、女性ホルモンの減少により脂肪細胞が増えていきます。漢方で女性ホルモンの減少を緩やかにして、脂肪が増えにくくしていきます。
- 運動不足は気虚と言って倦怠感が強いと体を動かす元気もないと思います。体内に気を取り入れて活発に動けるようにしていきましょう
- 便秘解消は漢方の得意とするところです。下剤とは違い腸に優しく働きかけ便秘体質を改善していきます。ダイエットには最も大切なポイントです。
このように漢方ではその方の肥満のポイントをつかみ利用することができます。
- 脾胃の働きが過剰な人には抑える漢方を
- ストレスで食欲が旺盛になっている人には抑える漢方と栄養素を
- 更年期のための肥満には、女性ホルモンバランスを整える漢方と栄養素を
- 運動もできないくらい気力が落ちている人には気力を上げる漢方と栄養素を
- 便秘の人には腸の動きが良くなる漢方と食物繊維と乳酸菌を
おすすめしてダイエットを順調に進めて頂きたいと思います。
ダイエットに漢方と栄養素が有効な理由
最も適したダイエット方法は人によって異なります。ダイエットのカギは自分の体質を知ることが大切です。そしてその体質に合った漢方薬を選ぶことです。すべての体質に共通することは食べ過ぎないように、バランス良く食べること。そしてダイエットをすることで、体調を悪くしないことです。もし、無理をしてしまって体調を崩してしまっては本も子もありません。今貯めてしまった脂肪を緩やかに落としてきましょう。脂肪を代謝させるための栄養をしっかりと食べましょう。ダイエットだけでなく、自分の体質のバランスを整えていきましょう。それができるのが漢方でのダイエットです。
管理栄養士により、食事バランスを管理していきます。その方に合わせたメニューを提案したり、不足している栄養素を確認していきます。脂肪を分解するにはビタミンが欠かせません。またたんぱく質不足や代謝を上げるミネラル不足の方も多いのです。貧血気味だとダイエットは成功しないのです。体調を壊さずダイエットをするには、脂肪を燃やす栄養素をしっかりととることから始めると、結果が出やすく、リバウンドも少なくなります。
体質によって使い分けしよう!ダイエットに有効な漢方薬
防風通聖散で何キロ痩せた?
テレビの宣伝などで有名な防風通聖散は湿熱体質の人のための漢方薬です。
食欲旺盛でがっちり固太りタイプの方です。食べたものが排便できず熱になった身体にたまっていくタイプの方は、防風通聖散を飲むと良いでしょう。熱がたまっているのにも関わらず、どんどん食べてしまい、肥満になってしまいます。野菜が嫌いで満腹感を感じず食べ続けてしまいます。
防風通聖散を飲み続けると
徐々に胃の熱がおさまり、食欲が落ち着いてきます。排便も順調になり、肥満が原因だった、頭痛やのぼせ、湿疹なども良くなることがあります。
しかし、湿熱タイプ以外の方が飲まれると、下痢をしたり、かえって身体がだるくなり、冷えやすくなり、体調が悪くなってしまいます。
防風通聖散が合わない体質とは
気虚体質、陽虚体質の方です。身体の気が不足するために、痰や湿を体外に出すことができず肥満になってしまう人です。こういう方には、真武湯、五苓散、防己黄耆湯をお勧めます。
たんぱく質をしっかりととりビタミンを積極的に摂取することで代謝が上がってきます。ただし胃腸が弱い時には、胃を元気にする六君子湯や補中益気湯を併用することがお勧めです。
心と身体は繋がっている?漢方ダイエットでストレス対策
ストレスで肥満になる人は気鬱体質です。ストレスが長く続くと気が廻らなくなり、身体に熱を持ち始めます。特に胃の働きが過剰になり胃酸がたくさん出て、食欲旺盛になり肥満になります。不眠になって夜遅くまで食べたり、お腹にガスがたまりお腹がポッコリ出てきます。このタイプの方には加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏、大柴胡湯などがお勧めです。
PMSやイライラ、肩こり、便秘なども解消しスッキリされることでしょう。
紫蘇やバジル、ペパーミントなどを利用しましょう。ビタミンCなどを取り入れてストレスによる副腎の弱りを補強しましょう。
更年期に体重増加が止まらない⁉
女性ホルモンが少なくなることによる肥満です。体質というよりはホルモンの影響です。女性ホルモンが少なくなると肥満細胞が大きくなり数が増えてしまいます。血液検査でも悪玉コレステロールが増えたり、中性脂肪が増えてきます。血管の動脈硬化も更新していきます。
こういった時にもは、桂枝茯苓丸や女神散などの漢方がお勧めです。またアグリコン活性型のイソフラボンがお勧めです。
女性ホルモン様作用があるので、アンチエイジングにも効果があります。
更年期に痩せる人と太る人の違い
更年期になると冷えや婦人病で血の巡りが悪くなり瘀血が増えてきます。このように瘀血が増えると血流が非常に悪くなります。この結果身体が冷えて代謝が悪くなります。また老廃物の排泄ができなくなり、脂肪としてためてしまいます。更年期になってもしっかりと血流良くしている人は太りにくいのです。玉ねぎ、にんにく、ラッキョウ、生姜、ネギなど温まる食材を取りましょう。またホルモンのバランスを良くするために、ホルモンの材料である脂質バランスが良い人が太りにくいです。例えばオメガ3系の脂を適度に食事に利用するなどして中性脂肪を下げたり、良いホルモンを作るようにできます。
漢方についての理解を深め、心身ともに健康な状態を目指してみましょう。
これを飲むだけで痩せる漢方という処方はありません。その方の体質のゆがみをとることで自然に健康に代謝が上がり適正な体重になっていくのです。まずはご自分の体質をしっかり見極めて知ること。それによって自分に合った養生法と生活スタイル、漢方と栄養素がそろえば、ダイエットは必ず成功します。
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