漢方薬を上手に飲むコツとは? 正しい飲み方と注意点を解説!

漢方薬には生薬の成分が含まれており、種類によっては独特の味や香りがあるため苦手と感じる人も少なくありません。また、飲み方を間違えてしまうと効果が薄れる可能性もあります。今回は漢方薬を飲みやすくするコツや、効果を薄れさせないための正しい飲み方を注意点とともに解説します。漢方薬に興味を抱いている人はもちろん、苦手意識をもっている人も参考にしてみましょう。

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目次

漢方薬の正しい飲み方と上手に飲むコツ

漢方薬の効果をしっかりと引き出し実感するためには、正しい飲み方を知ることが重要です。ここでは、漢方薬が苦手な人はもちろん、小さな子どもでも飲みやすくするコツを紹介します。

水または白湯で飲む

体調が悪いときなどに、医師に処方してもらった薬を飲んだ経験のある人は多いでしょう。漢方薬も西洋薬と同様に、基本は水または白湯で飲みます。味や香りが苦手だと感じる人の多くは、粉薬を口にするときではないでしょうか。粉薬を飲むときは、まず水や白湯を口に含み、飲み込まずにそのままの状態で粉薬を口の中(水や白湯の上)に落とします。そのまま一緒に飲み込んでみましょう。

こうすると舌に直接粉薬が触れず、薬も水や白湯に溶けることで味や香りが緩和されて飲みやすくなります。素早く飲み込めるよう、水や白湯、粉薬をあらかじめ用意し両手に持っておきましょう。テンポよく口の中に入れて飲み込むことで、だいぶ楽に漢方薬を飲み込むことができるはずです。

ぬるめのお湯に溶かして飲む

漢方薬をぬるま湯に溶かして飲む方法もおすすめです。この方法は、直接口に含んで飲み込むよりも味を薄めることができます。水または白湯で飲む方法が上手にできない方でも、味や香りを緩和させながら飲むことができるでしょう。

お湯にする理由は、薬を溶けやすくするためです。お湯を20〜30cc程度用意し、そこに漢方薬を入れてよくかき混ぜて飲んでください。漢方薬を完全に溶かしたい場合は、少し温度の高めのお湯を用意してください。温度が高くなりすぎると火傷の心配があるので、水を少し入れて冷まし適温にしてから飲むようにしてください。

漢方薬を溶かすことで、本来のせんじ薬に近い状態で飲めますし、その香りや苦みが胃腸の動きを良くしたり、気の巡りを良くしていくことができます。

ゼリーやヨーグルトに混ぜて飲む

小さな子どもの場合、水やお湯などではまだ味や香りを強く感じ飲むことを嫌がってしまうかもしれません、そのような場合は、ゼリーやヨーグルトを利用しましょう。漢方薬をゼリーやヨーグルトに混ぜることで、だいぶ飲みやすくなるのではないでしょうか。

それでもまだ漢方薬の味や香りが気になるようであれば、味の濃いジャムなどに混ぜて飲む方法も試してみましょう。ある程度成長した子どもや大人であればハチミツに混ぜても構いませんが、1歳未満の乳幼児は乳児ボツリヌス症にかかる恐れがあるので避けなければいけません。

オブラートに包んで飲む

口の中で溶けるオブラートに漢方薬を包んで飲む方法もよいでしょう。飲む前に、コップなどに入れた水に粉薬を入れたオブラートを少しだけひたすのがポイントです。これにより、オブラートが少し溶けゼリー状となり、より飲みやすくなります。

その後、水と一緒に口に入れて飲み込みましょう。子どもの場合は口の中にオブラートが触れて少し気持ち悪さを感じるかもしれませんが、すぐに溶けるので問題はありません。漢方薬の量が多い場合は、いくつかに分けてオブラートに包むのもポイントです。より飲みやすくなるでしょう。

お酒と一緒に飲むとよい薬もある

漢方薬の中には、お酒と一緒に飲むことで血流がよくなり相乗効果が得られるものがあります。「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」です。これらの漢方薬を飲む際は、お酒で飲んでも問題ありません。

しかし、これら以外の漢方薬をお酒で飲むのはやめましょう。また、運転前や出勤前、仕事中にお酒で漢方薬を飲むことも避けなければいけません。また、お酒の量も問題です。漢方を飲むためのお酒は少なめに。また、もともとアルコールが飲めないタイプの方は、この方法はお勧めしません。

漢方薬の飲み方の注意点

漢方薬は、ただ体内に入れれば効果が期待できるというものではありません。正しい飲み方があります。間違った飲み方をすると、期待するような効果は得られないでしょう。場合によっては体調不良を引き起こすこともあるので要注意です。ここでは、漢方薬の飲み方に関する注意点を解説します。

飲むタイミングは食前または食間

ほとんどの漢方薬は、食前または食間に飲むように指示があるはずです。食前とは、食事の前30分から1時間の間のことを指します。漢方薬を飲んでからすぐに食事をすることは避けなければいけません。食間とは、食事と食事の間のことを指します。朝食と昼食の間の時間帯や、昼食と夕食の間の時間帯のことです。食事中という意味ではないので気を付けましょう。

食間は、胃に食物が入っていない空腹の時間帯であると覚えておいてください。ただし、あまり厳密に守ろうとするとかえって飲むタイミングが合わなくなり、漢方を飲むことを断念してしまう方も多いので、食事のために席に着いたときにまず、漢方を飲んで、それから食事をという感覚でもよいと思います。また、食前に飲み忘れてしまったら、食後しばらく経ってから飲んでも害はありません。まずは根気よく続けられることが大切です。

飲み忘れをまとめて飲まない

漢方薬の多くは説明したように食前や食間に飲むものがほとんどです。食後に飲むことの多い西洋薬と比べると、漢方薬は飲み忘れる人も少なくありません。

しかし、飲み忘れたからといってその分をあとでまとめて飲むことは避ける必要があります。決められた量以上に飲んでしまうと作用が強く出すぎてしまうことがあるためです。1日3回飲むのであれば4時間以上、1日2回であれば6時間以上など指定された服用間隔を守ることが求められます。

お茶やジュースなどで飲むのは避ける

漢方薬の飲みやすい方法をいくつか紹介しましたが、お茶やジュースで飲むことはおすすめしません。濃いお茶やジュースと一緒に飲むと、漢方薬の原料である生薬の吸収を阻害することがあります。

同様に、牛乳やアルカリイオン水も吸収を妨げることがあるので注意しなければいけません。当然ながら、薬効成分が十分に吸収されなければ効果は得られないので、一緒に飲むものの選択にも気を遣う必要があるのです。

使用期限に注意する

漢方薬の使用期限は、未開封の状態であれば3〜5年に設定されているのが一般的です。ただし、この年数も直射日光や湿気を避け、涼しい場所に置いておくなど保管状況がよいことが条件となります。使用期限内であっても、以前に処方されて余った漢方薬などを飲むことは避けましょう。

漢方薬はそのときどきの体調や症状に合わせて飲むものです。処方時と現在の身体の状態が同じであるとは限りません。必ず現在の状態に合った漢方薬を飲む必要があります。

効果や副作用には個人差がある

漢方薬は体質や症状に合わせて飲まなければいけません。正しい処方がされていれば早いもので10〜30分で、慢性疾患に対する漢方薬でも2〜4週間ほどで症状改善や体質改善がみられるでしょう。ただし、個人差はあります。症状や服用する漢方薬によっても効果が異なることを知っておきましょう。

漢方薬の副作用は比較的少なく、人によってはほとんど感じないこともあります。しかし、体質に合わなければ副作用が起こってしまうこともあるでしょう。効果と同様に副作用にも個人差があるため、医師に処方してもらう際には自分の症状や体調を詳しく伝えることが重要です。

妊娠中や授乳中の服用は相談する

説明したように漢方薬は効果を発揮し、場合によっては副作用が起こることもあります。そのため、妊娠中や授乳中の人は、医師や薬剤師、登録販売者に十分相談してから処方してもらいましょう。西洋薬であっても妊娠中は胎児に影響が出る恐れがあるので、必ず医師や薬剤師、登録販売者に現在の状態を伝えてから処方してもらわなければいけません。

授乳中の人に対しては、母子の状態を総合的に判断して漢方薬が処方されます。母親が飲んだ薬の成分が母乳を通じて子どもの体内に入り吸収されるからです。間違っても、妊娠中や授乳中であることを伝えずに処方してもらってはいけません。

漢方薬の併用時は指導をもらう

漢方薬は種類ごとに適切な効果効能が出るよう工夫されています。同時に複数の漢方薬を服用すると、配合されている生薬のバランスが崩れてしまうので注意が必要です。効果効能が相反する漢方薬を同時に飲むと、お互いの効果を打ち消し合ってしまうこともあるでしょう。

また、多くの漢方薬に共通して含まれている成分もあります。甘草(カンゾウ)や麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、附子(ブシ)などです。漢方薬を併用するとこれらの成分の過剰摂取につながってしまうかもしれません。時間をおいて服用するか、事前に専門家に相談し指導をもらうようにしてください。

漢方薬を正しく飲んで健康的な生活を送ろう

漢方薬も西洋薬と同様、正しい方法で服用することが重要です。基本は水や白湯で飲みますが、飲みづらかったり子どもに飲ませるときにはゼリーやオブラートを使ってもよいでしょう。飲み方に注意すれば、漢方薬は体調を整えるための大きな効果を発揮してくれるはずです。身体の状態に合わせた漢方薬を取り入れ、健康的な生活を送りましょう。

漢方についての理解を深め、心身ともに健康な状態を目指してみましょう。

症状は西洋医学でも改善することは多いですが、漢方からのアプローチが有効的な場合もあります。豊富な種類の漢方薬を個人に合わせた処方をすることで、改善の最短距離になることもあるでしょう。自分で適切な漢方を選ぶのは難しい、自信がない時などは千幸堂にお任せください。丁寧な相談ののち、体質に合った漢方をお選びします。ご相談ください。

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この記事を書いた人

chiyukiのアバター chiyuki 漢方の千幸堂薬局 代表薬剤師

漢方の知恵を使って、多くの方に健康と幸せをお届けしたいと願い、25年間で延べ1万3千人以上の漢方相談を行ってきました。

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