更年期症状で病院に行くとホルモン剤がでました。2年ほど続けたのですが、実は私の母が乳がんの手術を受けていて、自分も乳がんの遺伝子があるのでできたらホルモン剤を飲みたくないのです。漢方でなんとかなりませんか?(30代女性)
最近、突然の身体が熱くなり汗が出て、頬や首、胸が赤くなり、心臓の動悸が早くなるんです。これは何か病気ですか?
それは更年期障害の一種であるホットフラッシュの症状です。女性が更年期に入ると起こることが多い症状です。
治すことはできますか?
はい、治療方法は薬物療法、生活習慣の変化、漢方薬療法、栄養療法などがあります。また、それぞれの個人差があるため、適切な方法を見つけるためには、問診と言って体調について質問していって、ともに相談しながら進めると早く治っていきますよ。
治るのですね。それならまずは身体に優しい漢方薬を試してみたいと思います。
はい、漢方薬は、更年期障害を治療するのに非常に有効です。ただし、個人差があるため、適切な使用方法を説明しながら、治療を進めますので、飲む量や期間なども一緒に決めていきましょうね。
漢方の千幸堂薬局では『ホットフラッシュの漢方相談』にメールやLINEで対応しているのでお問い合わせください。
ホットフラッシュは、いきなり汗が出てきたり身体が熱くなるので、本当に気分が悪くなります。特に夏は外気が熱いうえにさらに自分自身も暑くなるのでつらい症状です。また周りの人の目も気になるし、同時に精神的にもイライラします。
しかし、これは自分の身体が女性ホルモンが少なくなるにつれて起きる大きな変化に対応して必死に身体を守っているという証拠でもあり、ホットフラッシュの本当の理由を知ると、人間の身体ってよくできているなあと感心します。
私も実際にホットフラッシュを経験しました。頭や脇、腰から汗が滝のように1~2分の間、流れるのです。
おまけに顔がほてり、心臓もドキドキします。そんなつらい時期がありましたが、漢方で何とか乗り切りホルモン療法を受けなくても済みました。
これは、50歳を過ぎ、自分の子宮や卵巣が老化し、機能しなくなった時に脳の、脳下垂体から、卵巣刺激ホルモンが大量に放出され、卵巣を動かそうと過剰に働いたために、起こる症状だったのです。
身体の恒常性機能を生かした正しい症状だったこと理解し、いずれ治まっていくことがわかるとずいぶん精神的にも落ち着くことができました。しかし、それでも更年期の症状はつらいので、漢方を利用して約半年で落ち着くことができました。この経験を生かして皆様にご紹介したいです。
東洋医学で体全体のバランスを取り、自然に更年期を卒業できるようにすることが大切だと考えます。
ホットフラッシュとは
ホットフラッシュとは、更年期に女性が経験する汗をかくような突然の発熱感とともに、胸や顔、脇腹部などが赤くなって熱を帯びる症状です。
これは主に女性に発症する症状で、更年期障害として最も一般的な症状のひとつです。卵巣機能の低下によって引き起こされるホルモンバランスの変化が原因と考えられています。
ホットフラッシュは、更年期の女性に多く見られますが、男性にも発症することがあります。
ホットフラッシュ初期症状(セルフチェック)
ホットフラッシュの可能性が高いかどうかセルフチェックしてみてください。チェックが多い方は要注意です。
- 突然の発熱感: 身体全体が熱くなり、汗をかくことがあります。
- 赤くなる:頬や首、胸が赤くなります。
- 心臓の鼓動が早くなる:心臓の鼓動が早くなり、胸が締め付けられるような感覚があることがあります。
- 息切れ:息切れを感じることがあります。
- 不安や緊張:不安や緊張を感じることがあります。
- 睡眠障害:睡眠に支障をきたすことがあります。朝早く目が覚めたりします。
- 頻度や期間:ホットフラッシュの発症頻度や期間を記録しましょう。
- 他の症状:他の症状と一緒に起こることがありますので確認しましょう。
ホットフラッシュをセルフチェックするには、まず自分自身の症状を記録しておくとよくわかります。 ホットフラッシュを起こす時間や、気温や心拍数、血圧、体重などを測定して記録しておくとよいですね。
また、症状を起こしやすい状況なども記録しておくことで、ホットフラッシュを抑えるための対策を考えることができます。
ホットフラッシュと自律神経
ホットフラッシュは、更年期において女性の体内のホルモンバランスが変化することによって引き起こされる症状です。更年期において、女性は卵巣からエストロゲンとプロゲステロンの放出量が減少します。これにより、脳の中にある「自律神経」の調節を受ける脳下垂体が刺激を受け、自律神経のバランスが崩れることが原因と考えられています。
ホットフラッシュは、この自律神経のバランスの乱れによって、突然の発熱感や汗、心臓の鼓動が早くなるなどの症状を引き起こします。また、自律神経のバランスの乱れによって、睡眠障害や不安、緊張などの症状も引き起こすことがあるのです。
ホットフラッシュいつまで続く
ホットフラッシュは、個人差がありますが、更年期に入ってから数年間続くことが多いとされています。人によっては、更年期に入ってから5年以上続くこともあります。
また、ホットフラッシュの症状は時期によって変化することもあり、更年期初期は頻繁に発症し、徐々に発症頻度が減少していくことが多いです。症状が長期間続く場合や、生活に支障をきたすような場合は、医師や私たちに相談してくださいね。
ホットフラッシュの体温
ホットフラッシュは、突然の発熱感が特徴的な症状ですが、体温は通常通りで、体温計で測っても高くなってはいません。ホットフラッシュは実際の体温上昇はほとんど起きません。
発熱感は脳の中で発生し、身体の汗をかき、頬や首、胸が赤くなり、心臓の鼓動が早くなることが特徴的な症状です。
ホットフラッシュに効く食べ物
ホットフラッシュには、様々な原因があるため、一概に効く食べ物はありません。
しかし、更年期障害を感じやすい人は貧血があったり、血液の状態が健康でないことが多かったりします。更年期障害を予防するためには、栄養バランスの良い食生活が重要です。
特に、次のような食品を取り入れることで、ホットフラッシュの症状を軽減することが期待できるとされています。
- 多様な野菜や果物:栄養バランスの良い食生活には、野菜や果物をたくさん摂ることが重要です。
- 食物繊維:多くの食物繊維を取り入れることで、腸内環境がよくなり、ビタミンなどが作られることから更年期障害を予防することができます。
- 低脂肪・低カロリー:低脂肪・低カロリーの食品を取り入れることで、体重増加を防ぐことができます。肥満による皮下脂肪にはホルモンバランスを崩す働きがあるからです。
- 魚や卵などのタンパク質:タンパク質をたくさん摂ることで、貧血を防ぎ、血液の状態を健康にします。
- 酸味のある食品:酸味のある食品を摂ることで、消化の促進や血管の弛緩作用があり、ホットフラッシュを軽減する効果があるとされています。
ただし、個人差があるため、効果にも違いがあります。また、症状を軽減するためには、食事だけでなく適度な運動やストレスの軽減なども重要です。
ホットフラッシュ痩せるとよいのでしょうか?
ホットフラッシュを改善するためには、体重の管理は重要ですが、痩せすぎることは推奨しません。
体重が過剰な場合、更年期障害の原因になることもあります。肥満は体内に炎症を引き起こし、ホルモンバランスを乱すことがあります。
一方で、過度に痩せることも問題です。低体重は、エストロゲンの体内量を低下させるため、更年期障害を引き起こす可能性があります。
適正な体重を保つためには、栄養バランスの良い食生活や適度な運動をすることが重要です。また、個人個人によって異なるため、栄養士に相談し、適切な体重の目標を設定することをお勧めします。
ホットフラッシュに注意したい人
更年期に入ってから発症することが多いホットフラッシュには、身体のバランスが崩れやすいよという合図でもあります。
さらに、更年期に入る前に発症する若年性更年期ということもありますので、50歳前に発症した女性も注意が必要です。
また、予防や治療には個人差がありますので、自分自身の症状や体調に合った方法を見つけるためには、医師や私たち漢方の専門家に相談することをお勧めします。
更年期のホットフラッシュを和らげる方法はあるのでしょうか
更年期におけるホットフラッシュは、女性特有の症状であり、個人差があるため、治療方法にも違いがあります。必要に応じて、医師・薬剤師・栄養士・心理カウンセラーなどの専門家に相談し、適切な治療方法をみつけることをお勧めします。
- 薬物治療:ホルモン補充療法や、向精神薬など
- 漢方薬治療:漢方薬は、更年期障害を治療するために古来から頻繁に使用されます。
- 食事や生活習慣の改善:栄養バランスの良い食生活や適度な運動、ストレス軽減などが重要です。
- 生理学的アプローチ:心理療法やカウンセリング療法があります。
東洋医学ではそれぞれの身体の体質からホットフラッシュの原因を考え、アプローチしていき、身体全体が健康になり、そのことにより快適に更年期を過ごし、さらにそのあとの熟年期を健康に過ごすことができるようにしていきます。
ホットフラッシュと漢方
東洋医学では、陰虚体質な人、気虚の方がホットフラッシュになりやすいといわれています。
その一例として、ストレスが多い方は気を使われるので気虚になり、バランスを崩してホットフラッシュを大きく感じられます。また陰分と言って、身体の中の潤い分や血液が少ない方は、もともと火照りやすい体質なのでホットフラッシュになりやすいです。また瘀血があると血流が悪くなるので、バランスがとりにくいので、血流を良くすることも大切です。
東洋医学の考え方では、体質や生活習慣の違いによって、更年期障害の発症リスクが高い人がわかります。
- 疲れやすい、元気がない、血液量が少ない状態『気血両虚(きけつりょうきょ)』
- ストレスが多く、血液循環が悪くなっている状態『気滞瘀血(きたいおけつ)』
- 年齢や腎の働きの弱りにより身体の潤いが少なくなっている『陰虚(じんきょ)』
ホットフラッシュ消えるまで
ホットフラッシュは、更年期に入ると女性に多く見られる症状です。症状は個人差があり、一般的には更年期に入ってから数年間続くことが多いとされています。
更年期症状の突然の熱感や汗をかき、頬や首、胸が赤くなり、心臓の鼓動が早くなることがあり、精神的に不安定になります。
漢方薬治療を受け始めると、ホットフラッシュの症状が徐々に軽減し、その症状が消えるまでに数週間から数カ月でした。漢方薬治療は、多くの方に有効なので、更年期障害を抱えながらも、自分らしい生活を送ることができるようになります。
更年期を順調に過ごすことができると、次の熟年期がさらに健康的に過ごすことができます。人生100年時代を見据えて漢方を利用してこれからもずっと快適に過ごしましょう。
まとめ
更年期障害は、社会問題となっています。仕事が続けられなかったり、精神的に不安定になり女性の人生の中で過酷な時期とも言えます。ホルモン剤他、たくさんの改善方法が世の中にありますが、古来より婦人病に効果があるといわれている漢方をぜひ、お勧めします。
私自身もホルモン療法を行っている時期、そして50歳になった時、2回の更年期障害の時期に悩まされましたが、いずれも漢方で乗り切ることができました。
この経験をぜひ皆さんと共有し、お役に立てたいと思っています。悩んでおられる方はぜひ、お問い合わせください。
漢方相談お問い合わせフォーム
LINEでお問い合わせ
LINEでもご相談を受け付けております。どうぞお気軽にご利用下さい。