最近ストレスが多くて、めまいや耳鳴りがひどく、仕事に支障が出ています。また、耳が詰まったような感じがします。さらに、時々聴力が低下するような気がします。メニエール病かもしれないと心配しています。病院での治療とともに自然療法にも興味があります。漢方や漢方薬でこれらの悩みを緩和できますか?(40代女性)
漢方の千幸堂薬局では『メニエール病の漢方相談』にメールやLINEで対応しているのでお問い合わせください。
めまいにもいろいろ種類がありますが、ほとんどがメニエール症候群といわれます。良性発作性頭位めまい症といわれますね。
しかし、初めて経験するときには、本当に怖くて頭の血管がどうかなってしまったのではと、パニックになってしまうこともあります。ひどい時にはぐるぐる目が回り吐き気を催して、動けなくなることもあります。
めまいが治まり病院へ行くと、MRIで診断して脳の異常がないと薬が処方されます。しばらくは薬を飲んで治療に専念することが大切ですが、問題はなぜ、めまいが起きたのか?また再発しないようにするにはどうしたらよいか?ということなのです。

めまいの中で多いのは良性発作性頭位めまい症です。原因は耳石が外れること。とされています。しかし、このほかにも貧血やホルモンバランスの乱れによるものや、脳の血流が悪いために起こるめまいもあります。
めまいの原因に合わせてアプローチすることが大切です。
東洋医学で体全体のバランスを取り、メニエール病が起きにくい体質づくりが大切だと考えます。
メニエール病とは
メニエール病は、体の平衡感覚をつかさどる耳の奥の“内耳”にリンパ液がたまることによって生じる病気です。この病気は、激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳の充満感または圧迫感の4症状が繰り返されることが特徴です。
メニエール病の原因は、内耳にある三半規管と蝸牛(かぎゅう)を満たす内リンパ液が増えすぎることが関係していると考えられていますが、原因やきっかけは今のところわかっていません。
メニエール病をチェックするには?
下のリストをセルフチェックしてみてください。
- 耳の充満感または圧迫感(痛みや不快感を伴うことがあります)
- 難聴(一時的または継続的に、片耳または両耳が聞こえにくい)
- 難聴発作(突然耳が聞こえなくなる)
- 耳鳴り(耳の中のブーンという音、または轟音)
- めまい(バランスを維持するのが難しくなる回転感覚を感じる)
- 吐き気
メニエール病に注意する人とは?
メニエール病は、ストレスや疲労が溜まっている人、睡眠不足な人に発症しやすいです。また、30〜50歳代の女性、自分を抑え熱心に仕事をする人、ストレスを溜め込みやすい人、忙しい生活をしている人に多い傾向があります。
真面目な人や他人に迷惑をかけないように配慮するあまり、自分ですべてを抱え込む傾向にある人もメニエール病になりやすいとされています。
また、下のようなメニエール病に注意する潜在的なリスク要素があります。
- 遺伝的要素がある方:メニエール病は家族内で進行することが多いため、遺伝的要素がある場合があります。
- 頭部外傷がある人:脳震盪や頭蓋骨骨折などの頭部外傷は、メニエール病の発症リスクを高める可能性があります。
- 自己免疫疾患をお持ちの方:一部の研究者は、メニエール病は自己免疫疾患に関連している可能性があると考えています。
- ウイルス感染がある人:一部の研究者は、メニエール病はウイルス感染によって引き起こされる可能性があると考えています。
- アレルギーをお持ちの方:花粉、ほこり、特定の食品などの環境要因に対するアレルギーや過敏症は、メニエール病の一因となる可能性があります。
メニエール病を予防するためには、精神的ストレスをためないことが重要です。適度な運動を行う、没頭できる趣味を持つなど、ストレスを解消できる方法を身につけておくと良いでしょう。また、十分な休養を取るなど、日頃からストレスや疲れがたまりにくい生活を送ることが大切です。
漢方でメニエール病を和らげる方法はあるのでしょうか?
漢方薬はメニエール病の症状を改善するのに役立ちます。漢方では、体内の水分のめぐりをよくするために腎臓の働きを強め、尿の出をよくする“補腎利水(ほじんりすい)”の方法を用いて、症状改善、体質の改善を行います。
ですから、漢方薬では、苓桂朮甘湯や半夏白朮天麻湯、五苓散など利水のはたらきで体内の水を巡らせるものを用います。 さらに、ストレスなどで交感神経が興奮し、気が高ぶったり、めぐりが悪くなるとめまいが起こりやすくなります。 このような場合は、釣藤散や、女神散、加味逍遥散など気の乱れを整える漢方薬を用いることもあります。
さらに、血虚と言って血が少なくてもめまいが起こりやすい状態になりますので、体質を見て上記の漢方に造血作用の生薬を加えることで治療効果をアップすることができます。



漢方の考え方では、体内のバランスを整えることが大切であると考えられています。漢方薬は、そのバランスを整えるために、体内のエネルギー(気)や水分(血)の循環を促進する働きがあります。これにより、内耳の細胞の正常化を促すことができます。
東洋医学では、それぞれの身体の体質からメニエール病の原因を考え、アプローチしていき、身体全体が健康になり、そのことにより正常な細胞を作り出す体質になります。特に耳石が剥がれ落ちるのは、老化とたんぱく質不足が関係しているといわれています。単に水の流れを良くするだけでなく、今後も耳石が落ちないようにしっかりと栄養素を取っていくことが再発を防ぐことになります。
メニエール病に効く漢方薬にはどのようなものがありますか?
漢方薬は、メニエール病の症状管理に役立つことが分かっています。漢方薬には、めまいや吐き気などの症状を軽減する効果があります。さらに、漢方薬はメニエール病の根本的な原因の一つである血行促進や体液の滞留を軽減する効果があります。
例えば、「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」という漢方処方は、めまいやメニエール病の治療によく使われます。また、釣藤散(ちょうとうさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、沢瀉湯(たくしゃとう)なども効果的です。
ただし、漢方薬は一人ひとりの体質や症状に合わせて選ぶ必要がありますので、漢方専門家に相談することをお勧めします。
漢方薬の副作用と注意点



漢方薬は、副作用の少ない薬物療法と考えられていますが、他の薬物と相互作用がある可能性があります。
また、妊娠中や授乳中の女性、アレルギー体質の方などは、特に注意が必要です。
自分に適した漢方薬を見つけるために、漢方薬を使用する前に、医師・薬剤師などの漢方専門家に相談することが大切です。
メニエール病に効果的な栄養素ビタミンB12
メニエール病に効果的な栄養素として、ビタミンB12があります。ビタミンB12は、神経のはたらきを調整する作用があり、メニエール病のめまいや耳鳴りなどの症状の改善が期待できます。ビタミンB12が多く含まれる食品として、魚類(さけ・ます類)、貝類(しじみ)、あまのり、レバー、牡蠣、あさり、さんまなどがあります。ただし、ビタミンは1種類だけで効果を出すものではありません。全体のビタミンとミネラル、そしてそれらを運ぶたんぱく質が一緒でなければ効果が出にくいことがあります。
メニエール病を和らげる
漢方薬によるメニエール病の改善事例を紹介します。
お電話で30代の女性の方が、メニエール症状が時々再発して怖いので何とかならないかと相談されました。
体質を見ると、むくみやすく、そして貧血を抱えておられました。そこでむくみを取り、造血作用のある漢方をお出ししたのですが、造血作用のある漢方は、胃が悪くなる生薬もあるため、この漢方を飲むと、めまいは収まるけど胃が痛くなるということでした。
お電話での相談でしたので、胃腸が弱いことを聞きそびれていたのです。確かに胃腸の弱い人は水をうまく体内に巡らせることができない体質なので、漢方薬の中に、胃腸の働きを良くする生薬を入れました。そうすると胃の調子も良くなり、めまいも治まってきました。
3か月ほどの服用で徐々に漢方を休薬していきました。その代わり、血液を元気にするヘム鉄が入っている、自然サプリを飲んでもらったところ、その後はめまいが起きていないと、うれしい連絡が入っています。
千幸堂は身体全体のバランスを取り、ご自分の身体をご本人がコントロールできるようになることを目指しています。
まとめ
漢方薬によるメニエール病の改善について紹介しました。漢方薬や栄養素には、メニエール病を改善するための効果があることが知られているものがあります。しかし、副作用や注意点があるため、医師または薬剤師に相談することが大切です。
健康な体を取り戻すために、漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。漢方の力で自然治癒力を促進しつつ、不足している栄養素を補給し、メニエール病の改善につなげていく方法をご提案しています。
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