聴力が徐々に低下しており、家族や友人とのコミュニケーション能力に影響が出ています。また、耳鳴りや時折のめまいも経験しています。これらの症状を治すのに、どのような方法がありますか?コンドロイチンや漢方薬などの自然な対処法があると聞いたことがありますが、難聴に効果があるのでしょうか?高血圧の薬も飲んでいるので、これらの自然療法との相互作用も心配です。(60代女性)
漢方の千幸堂薬局では『難聴の漢方相談』にメールやLINEで対応しているのでお問い合わせください。
難聴を含め耳鳴りなど耳の症状は耳鼻科に行っても脳神経外科でMRIをとっても原因がわからないことが多い症状です。しかし、ほとんどが老化、あるいは大きな音や衝撃による耳の中の細胞の破壊が原因ですが、そのほか不安神経症が原因といわれることもあります。
病院でもう治療方法がありません。このまま様子を見ましょうといわれると残念で仕方ないですし、何とかならないか、せめてどんどん聞こえなくならないように聴力を維持したいと焦りも感じます。
そういったときにもしかすると改善できるかも、という方法がコンドロイチンや漢方での治療法です。

難聴の中でも、突発性難聴は西洋薬の効果が表れやすいです。できるだけ発症後早く病院へ受診しステロイド療法を行いましょう。その後の回復期は漢方が良いです。
そのほか、音響外傷性難聴や、カナマイシンやストレプトマイシンなど抗生物質によるに内耳障害にはコンドロイチンや漢方が良いとされています。
東洋医学で体全体のバランスを取り、難聴が起きにくい体質づくりが大切だと考えます。
難聴とは
難聴は、人の音を聞く能力が低下している状態です。難聴は人の生活の質に重大な影響を与える可能性があり、他の人とのコミュニケーションや日常の活動を楽しむことが困難になります。
難聴の種類
難聴には様々な種類があります。大きく分けると、「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3つがあります。これらの難聴は、耳のどこで障害が起こっているかによって分けられており、それぞれ対処方法も異なります。
- 伝音性難聴:伝音性難聴は、耳介や外耳道、鼓膜、耳小骨など音を伝える器官に問題が生じることが原因で起こる難聴のことをいいます。中耳炎による難聴も伝音性難聴の一種です。外部からの入った音は、外耳道を通って鼓膜と耳小骨を震わせることで聞くことができますが、何らかの原因で鼓膜や耳小骨の振動が起こらなくなってしまい聞くことができなくなってしまうのです。
- 感音性難聴:感音性難聴は、内耳や聴神経など「感音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴です。原因は、加齢や病気・騒音など様々です。現状では根本的な治療方法はありませんが、聴覚に役立つ方法があります。
- 混合性難聴:混合性難聴は、伝音性難聴と感音性難聴の2つが合併した難聴です。外耳または中耳と内耳の両方が損傷している可能性があります。
難聴をセルフチェックするには?
難聴障害度質問票(HHIE-S)は、世界中で利用されている評価表です。特に高齢の難聴の悩みを抱えている方が「聞こえについて、どの程度の支障を感じているか?」をチェックするために考えられました。
下のチェックリスト(HHIE-S短縮版)に「はい」「ときどき」「いいえ」で回答してください。「はい」は4点、「ときどき」は2点、「いいえ」は0点です。合計点が10点以上で軽・中度の難聴、24点以上で重度の難聴の可能性があります。
- E1:初対面の人と会うとき、聞こえないことで気まずい思いをしたことがありますか?
- E2:家族と話をするとき、聞こえないことでストレスを感じますか?
- S3:小声で話しかけられると、聞き取りにくいことがありますか?
- E4:聞こえないことで、不利益があると感じることがありますか?
- S5:友人や親類、近所の人と話をするとき、聞き取れなくて困ることがありますか?
- S6:よく聞こえないために、集会や会合への出席をためらうことがありますか?
- E7:聞こえのことで、家族と口論になることがありますか?
- S8:ラジオやテレビの音が聞き取りにくいことがありますか?
- E9:聞こえないことで、やりたいことが十分にできないと感じますか?
- S10:レストランなどで、話し声が聞き取れないと感じることがありますか?
難聴に注意する人とは?
難聴に注意する人とは、以下の通りです。
- 高齢者:高齢になると、聴力は自然に低下します。高齢者の方は、難聴を早期に発見するために、定期的に聴力検査を受けることをお勧めします。
- 長時間騒音にさらされている人:大きな音に長時間さらされると、難聴のリスクが高まります。騒がしい環境で働いている人、音楽やスポーツなど大きな音にさらされる趣味を持っている人は、注意する必要があります。
- 特定の薬物療法を受けている人:一部の薬剤は聴覚機能に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、耳毒性のある薬剤は難聴を引き起こすことが知られています。薬物治療を受けている人は、定期的に聴力検査を受ける必要があります。
- 先天的に耳に異常がある人:先天的に耳に異常がある方は、難聴になるリスクが高くなります。家族歴に難聴がある人は、注意する必要があります。
- 特定の病状をお持ちの方:糖尿病や高血圧などの特定の病気は、難聴のリスクを高める可能性があります。これらの疾患をお持ちの方は、定期的に聴力検査を受けられることをお勧めします。
難聴を防ぐには、騒音にさらされないようにすること、適切な聴覚保護具を使用すること、特定の薬の副作用に注意することが重要です。
定期的に聴力検査を受けることで、難聴を早期に発見し、適切な治療を受けることができます。
漢方で難聴を和らげる方法はあるのでしょうか?
耳の機能を保つには、東洋医学では腎の働きが関係していると考えます。腎はホルモンバランスや骨、髪の毛など耳以外のいろんな臓器の機能を担当しています。ですから、難聴以外の症状も加味して腎の働きを漢方で改善していくと難聴も良くなることがあります。
難聴の原因である、加齢やストレス、睡眠障害、動脈硬化など生活習慣を含め、毎日の生活の中で無理をしてしまうことがあるとそのしわ寄せが耳に症状として出ます。そんな時には耳の症状だけに注目するのではなく、東洋医学的なアプローチ方法である根本的な対応が効果を表すことがあります。
さらに不安からも難聴が治りにくくなることがあります。不安な気持ちを穏やかにする漢方を使うことで効果が上がります。



漢方の考え方では、体内のバランスを整えることが大切であると考えられています。漢方薬は、そのバランスを整えるために、体内のエネルギー(気)や水分(血)の循環を促進する働きがあります。これにより、内耳の細胞の正常化を促すことができます。
東洋医学ではそれぞれの身体の体質から難聴の原因を考え、アプローチしていき、身体全体が健康になり、そのことにより正常な細胞を作り出す体質になり、難聴を改善します。一度落ちた聴力を上げることがなかなか難しいですが、これ以上の聴力の低下を防ぐには、長く続けていく必要があるためできるだけ体に優しい方法をお勧めします。
難聴に効く漢方薬にはどのようなものがありますか?
漢方薬が耳の健康を促進し、聴覚機能を改善する可能性があります。
漢方薬の抗酸化作用と抗炎症作用により、内耳のデリケートな有毛細胞を損傷から保護し、難聴の原因となる炎症を軽減するのに役立ちます。
また、漢方薬により血液循環を改善すると、内耳に必要な栄養素を届け、その機能をサポートするのに役立ちます。 内耳への血流が改善すると、聴覚に不可欠な有毛細胞を保護するのにも役立ちます。
さらに、漢方薬で神経系を落ち着かせ、ストレスや不安のレベルを軽減することも、炎症の軽減と内耳への血流を改善に役立ちます。
たとえば、内耳の水分代謝を改善したり、血行を促進したりすることで、聴覚の機能を高めることができるものには、五苓散や滋腎通耳湯などがあります。
ただし、漢方薬は一人ひとりの体質や症状に合わせて選ぶ必要がありますので、漢方専門家に相談することをお勧めします。
漢方薬とは?
漢方薬とは、日本や中国で伝統的に使用されている自然由来の薬です。植物、鉱物、動物性のものなどが使用され、体質や症状に合わせた治療が可能です。
漢方薬は、多くの場合、健康を維持するために使用されたり、病気の治療に使用されます。漢方の千幸堂薬局では難聴に合う漢方薬を処方できます。
漢方薬の副作用と注意点



漢方薬は、副作用の少ない薬物療法と考えられていますが、他の薬物と相互作用がある可能性があります。
また、妊娠中や授乳中の女性、アレルギー体質の方などは、特に注意が必要です。
自分に適した漢方薬を見つけるために、漢方薬を使用する前に、医師・薬剤師などの漢方専門家に相談することが大切です。
難聴に効果的な栄養素コンドロイチン
コンドロイチンは、牛、豚、サメなどの動物の軟骨に含まれる天然物質で、全身の結合組織に見られる糖とタンパク質の長い鎖です。
コンドロイチンは、関節の健康をサポートし、変形性関節症の症状を軽減するための栄養補助食品としてよく使用されます。関節の軟骨の生成を促進し、関節の痛みやこわばりの原因となる炎症を軽減すると考えられています。
関節の健康への使用に加えて、コンドロイチンは、難聴の治療における潜在的な利点についても研究されています。いくつかの研究では、コンドロイチンが内耳の有毛細胞を保護し、難聴の一因とされている炎症を軽減することにより、聴覚機能を改善する可能性があることを示唆しています。
- 騒音による難聴からの保護:大きな騒音にさらされると、内耳の有毛細胞が損傷し、時間の経過とともに難聴につながる可能性があります。コンドロイチンは、炎症を軽減し、内耳の有毛細胞を保護することにより、騒音による難聴から保護するのに役立つ可能性があります。
- 循環の改善:内耳が適切に機能するためには、酸素と栄養素の安定した供給に依存しており、これらの栄養素を内耳に届けるには良好な循環が不可欠です。コンドロイチンは、耳への血流を改善するのに役立ち、健康な聴覚を促進することができます。
- 炎症の軽減:耳の炎症は、特に加齢に伴う難聴の場合に、難聴の一因となる可能性があります。コンドロイチンには抗炎症特性があり、耳の炎症を軽減し、難聴から保護するのに役立ちます。
難聴を和らげる
漢方薬による難聴の改善事例を紹介します。
60代女性でしたが、娘さんが帰省され、その後疲れから難聴と不眠が一度に始まりました。滋腎通耳湯と補中益気湯を最初に飲んでもらうと、難聴が少し楽になられました。
その後不眠のほうが気になられたので、加味帰脾湯へ処方を変更し、できるだけ睡眠をとっていただくようにしました。また、コンドロイチンも一緒に服用されると、睡眠が少しずつ増えるのと同時に難聴も少なくなり、今では、通常まで戻ってきておられます。
現在は漢方は服用を中止して、コンドロイチンだけになっています。このように、漢方薬を取り入れた治療によって、難聴の症状が改善され、健康な状態に戻った例があります。
ご自分の身体を大切に考え、整えてあげましょう。自分の身体を大事にできる治療法があります。ぜひご相談ください。
千幸堂はご自分の身体をご本人がコントロールできるようになることを目指しています。
まとめ
漢方薬による難聴の改善について紹介しました。漢方薬や栄養素には、難聴を改善するための効果があることが知られているものがあります。しかし、副作用や注意点があるため、医師または薬剤師に相談することが大切です。
健康な体を取り戻すために、漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。漢方の力で自然治癒力を促進しつつ、不足している栄養素を補給し、難聴の改善につなげていく方法をご提案しています。
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