仕事が忙しくなり月経が不順になってしまい、心配で産婦人科へ行ったところ、卵巣がはれていると言われました。最初は様子を見るだけ、と言われたのですが、その次の検診で診察したところ2倍の大きさになっているとのことでした。これ以上大きくなるようなら、手術も検討しなければ、と言われ心配になりました。漢方薬で小さくなることがありますか?(30代女性)
漢方の千幸堂薬局では『卵巣嚢腫の漢方相談』にメールやLINEで対応しているのでお問い合わせください。
卵巣が膨れる病気はまとめて卵巣腫瘍と言われ、良性と悪性があります。良性の場合は、腫瘍の中身が蔣液性のものと粘液性のものがあります。この診断については、MRI検査で医師に確認していただくとよいでしょう。最近では子宮内膜症が卵巣に影響し、チョコレート膿胞になっている場合もあるそうです。
西洋医学的には、これらを判別した後でホルモン剤を使い治療しますが、5センチ以上の大きさになれば手術を勧められることが多いようです。腹腔鏡下で手術もできるので比較的小さな手術で済むのですが、女心としてはできるだけ手術をしたくないという気持ちがあるものです。
卵巣が大きくなりすぎて日常生活に差しさわりがある場合は例外ですが、様子を見てもよいということでしたら、漢方を試してみるのは良い方法だと思います。
卵巣に膿腫ができる方の多くは、腹腔内の血行が悪くなっており、冷え症や便秘症の方が多いので、漢方でこれらの症状を取っていくことが大切です。また、食事も非常に影響しています。卵巣腫瘍の方の多くは、パン食や甘いものを好む傾向にあり、食事内容の改善が治療の一端を担うことになります。そして、仕事の忙しさからくる睡眠不足もよくありません。
自分の体をたいせつにしたい、という気持ちになったときが、漢方を始めるときだと理解してください。早い方では、食事療法とともに漢方薬を服用され3カ月で膿腫が小さくなることもあります。または大きさが変わらず、様子を見ながら閉経まで安定な状態を保持され、手術しなくて済んだ方もおられます。ぜひ、東洋医学の力をお試しください。
卵巣嚢腫
卵巣嚢腫はホルモンのバランスが悪い方に多く見られます。子宮筋腫と同じく、産婦人科の定期健診で見つかることが多いです。特に子宮内膜症を持っておられる方に発症しています。
卵巣嚢腫症状チェック
卵巣嚢腫がある可能性が高いかどうかセルフチェックしてみてください。チェックが多い方は要注意です。
- 生理痛がひどい
- 月経量の量が2時間で夜用ナプキンがあふれるくらい出る。あるいは8日以上多い日が続く
- 貧血がある
- 頻尿や便秘がある
- 腰やおなかが痛む
卵巣が腫れてると言われた
卵巣の大きさは通常は2から3センチです。排卵時期には5センチほどになる方もおられます。生理周期を見ながら産婦人科に見てもらいましょう。
病的に卵巣が腫れているのはどういうことかというと、原因として多いのは“腫瘍”です。 卵巣腫瘍にはさまざまなタイプのものがありますが、9割以上は良性の腫瘍であり、特に卵巣内に水や古い血液、脂肪などがたまることが原因の“ 卵巣嚢腫 であることが多いといわれています。
6センチ以上晴れると卵巣がねじれて壊死し、腹腔内で炎症が起きるの可能性が高くなり、非常に危険です。手術の対象になる大きさです。良性であったとしても、定期的な診察が大切です。
卵巣が腫れるストレス
卵巣嚢腫自体は、症状が少ないので生活には支障はあまり出ませんが、ホルモンバランスが悪く発症するので、女性ホルモンバランスの乱れによる、月経過多や生理前後の精神的な不安定な状態がストレスにつながると思います。
また、ピルや注射などによりホルモン剤を使用し確実に小さくすることもできるので、治療方法も確立されていますが、ホルモン療法による副作用がストレスになることがあります。
例えば、更年期症状や女性ホルモンが減少することにより、集中力が減ったり、体がむくんだり、血栓を起こしやすくなったりします。
卵巣腫れるデメリット
薬の副作用を除いては、現在では手術や薬物による治療法が確立され、卵巣嚢腫は治療ができる病気です。しかし、卵巣が腫れることにより、女性が一番ダメージを受けるのは妊孕力です。
子宝を望む方は、卵巣嚢腫があると卵子の質が非常に悪くなるのという点で影響があります。将来妊娠を希望する方は、早めに診察を受け、ホルモン療法を受けなくて済む状態の時から、漢方をはじめとして、女性ホルモンバランスを整えていくことをお勧めいたします。また、漢方薬は一度腫れてしまった卵巣の回復にもお役に立ちます。
卵巣嚢腫に注意したい人
東洋医学では、湿や痰がたまりやすい人が卵巣嚢腫になりやすいといわれています。
- 食事バランスが悪い方
- 気力や体力がなく、解毒により体内の必要のないものを代謝できない方
- ストレスにより、脳下垂体などホルモンバランスをつかさどる部分の働きが乱れている方
卵巣嚢腫を小さくする方法はあるのでしょうか
卵巣嚢腫が6センチ以上で危険な大きさの場合は、まずはホルモン療法をお勧めいたします。ホルモン療法を3か月続けるだけでも大きさはかなり小さくなります。そのうえで手術をすることで完治します。しかし、体内に卵巣を保持していくと、閉経まで何回か月経が起きていくうちに卵巣嚢腫が復活して大きくなり、再発することがあります。
どちらにしても体質改善を行い、漢方なども服用して、ホルモン療法の後に卵巣嚢腫を小さいままの状態にしていくことが大切です。
血流をよくして塊を小さくする漢方、女性ホルモンを安定させる漢方、あるいは、湿や痰を排泄できるように代謝をよくする漢方など、様々な漢方があります。その方の体質に合わせて漢方を服用することで小さくなることがあります。
さらに、生理痛や月経過多、貧血、自律神経失調症など、卵巣嚢腫に関連して起こる症状も改善することができます。
チョコレート嚢胞が消えるまで
ある女性が44歳のとき「5センチのチョコレート嚢胞がある」とご相談に来られました。子宮筋腫もあり、そのほかに、肩こり、頭痛、目の疲れなどでも悩んでおられました。「仕事もあるので手術は避けたい」とのことでしたので、お血を取り、血流をよくする漢方を飲んでもらいました。田七人参と女神散を半年服用したところ4センチになっていました。
肩こりや頭痛も取れてきて、さらに月経量が3日間に減ってきたことが一番喜ばれました。その後、漢方を飲んでいると体調もよいので、閉経まで漢方を飲み続けていただきました。閉経後にさらにチョコレート嚢胞も小さくなったところで切って、その後は安心して過ごされています。
まとめ
卵巣嚢腫は西洋医学的に治療方法が確立されています。きちんと対応することで治療できる疾患です。しかし、原因は不明で再発が多い病気です。
しかし、治療をやめることでまた再発をしてしまう病気です。何年も、ホルモン剤を飲み続けることに抵抗がある方も多く、副作用も出てくる方もおられます。そんな時にはぜひ、東洋医学の漢方を取り入れてください。卵巣嚢腫ができにくい体質に改善していくことができます。
栄養面では、細胞の分化が乱れているので、ベータカロテンや亜鉛をしっかり取り入れ、さらに貧血を改善することが大切です。できるだけ体に負担のない方法で、治療していきましょう。
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