「眠りたいのに、どうしても眠れない」と毎晩悩んでいませんか。不眠が続くと日中のパフォーマンスが低下するほか、体にもさまざまな不調があらわれます。厚生労働省によれば、日本人を対象にした調査で5人に1人が何らかの不眠症状があると答えているそうです。つらい不眠で悩んでいるなら、漢方薬を試してみませんか。この記事では漢方薬が不眠の改善に役立つ理由と、睡眠薬との違いを解説します。
不眠について千幸堂の4つの考え方
夜眠れないと頭の中でいろんな不安なことを考え始めて、ますます眠れなくなってしまいますね。眠りたくても眠れないつらさは、それを感じたことのある人しかわかりません。あっけらかんと横でいびきをかかれると腹も立ってきますね。
西洋薬でも睡眠薬は一般的なお薬で胃薬よりもたくさん処方されているといわれます
寝つきを良くする睡眠薬、途中で目が覚めないように長く効く睡眠薬などありますが、ほとんどが脳の神経伝達物質のコントロールをするものです。依存性があり、翌朝にだるさを残るのが残念なところですが、即効性があるので、3日以上しっかりと眠れない場合や医師の診断で必要とされた時には、ぜひ服用してまずは眠って体を休めてください。
漢方では深く眠れるように身体を整えていくことができます
一方で加齢により、深い眠りが取れなくなるのも事実です。子供の頃のようにしっかり寝てみたいと思われる方も多いのではないでしょうか?
日中にしっかりと補気して身体をうごかし、夜には落ち着きメラトニンの材料になるセロトニンを出せる生薬を飲みリズムを整えていくことができます。脳の血流が悪いと良い睡眠がとれないので、脳血流を良くする漢方を使うことも良いでしょう。耳に温灸をすることも良いですよ。
いずれにしても体質によって不眠体質を改善する漢方はさまざまあるのでしっかりと選んで飲んでいくと効果が出てきます。
不眠で悩んでいるときに漢方を使うメリット
不眠症は不安感や精神の不安定さなど、こころの問題とも密接に関係しています。また西洋医学の睡眠薬を使うことに抵抗がある人も少なくありません。こころの領域にも関わるデリケートな問題である不眠には、漢方が適しているのです。ここでは、不眠で悩んでいるときに漢方薬を使うことのメリットを紹介します。
薬への依存を避けられる
現在、不眠症の治療にはベンゾジアゼピン系などの西洋の睡眠薬を用いることが一般的です。病院で処方されるほかドラッグストアで購入できるものもありますが、依存性を心配する人は少なくありません。睡眠薬の服用を続けるうちに効きづらくなり、だんだんと薬の量が増えてしまうことがあります。また薬を減らしたり止めたりすると離脱症状が出て不眠が悪化するため、薬を手放せなくなるケースもあります。
睡眠薬を使うこと自体に不安や罪悪感がある人もいるでしょう。このようなときに、即効性はないものの副作用が圧倒的に少ない漢方薬は、有効な選択肢の一つです。睡眠薬を止めたり、量を減らすことを目指して漢方を使い始める人も多くいます。
全身の調子が良くなる
西洋の睡眠薬が「眠ること」を目的にしているのに対して、漢方薬は「体を眠りやすい状態にする」のを目指す薬です。漢方薬には直接的に人を眠らせるような働きはありませんが、不眠の原因を解消して自然な眠りに導きます。漢方の診察では単に不眠があるかどうかだけではなく、さまざまな問診を通して全身症状を確認します。そして不眠の原因が貧血や抑うつ傾向であれば「加味帰脾湯(カミキヒトウ)」、めまいや肩こり、耳鳴りをともなう場合は「釣藤酸(チュウトウサン)」といった具合に、全身症状に合わせた漢方薬を処方するのです。
漢方が体に合えば不眠の原因となっている不調が改善されるため、不眠が解消されるだけではなく全身の調子が良くなります。不眠のみならず貧血やめまい、肩こりといった症状が改善されれば、心身の調子も上向くでしょう。西洋の睡眠薬の働きを助ける目的で、サポート的に漢方薬が使われることもあります。
不眠症とは
不眠症とは、寝付きが悪い・途中で目が覚める・熟睡できない・早朝に目が覚めてしまうなどの睡眠に関する問題が続き、さまざまな不調があらわれる病気です。不眠は誰にでも起こりますが、ほとんどの場合は一時的なものです。ところが不眠症になると夜間の不眠が長期間続くため、日中に体がだるくて活発に動けない、集中力が続かない、食欲がないといった心身の不調が出現します。日中に体と精神に不調をきたすことで、生活の質が低下してしまうのは大きな問題です。さらに不眠が続くと「眠れない」という恐怖感が生まれます。「不眠恐怖」と呼ばれる症状で、眠れない日が続けば続くほど、夜を迎えるのが憂鬱になってしまいます。眠れない焦りや不安から、まずます不眠が悪化し、慢性化してしまうのです。
不眠の原因はストレスや疲労、生活リズムの乱れ、病気、環境、カフェインやたばこといった刺激物など、人によってさまざまです。不眠症を改善するためには自分の不眠の原因を探り、適切に対処することが大切です。
不眠を改善する!2種類の薬の特徴
市販されている不眠の薬には、「睡眠薬(睡眠改善薬)」と「漢方薬」の2種類があります。この2種類には効果や使い方などさまざまな違いがあります。睡眠薬と漢方薬それぞれの特徴や、違いについて見ていきましょう。
西洋医学の睡眠薬
西洋医学の睡眠薬は、即効性があるのが特徴です。ただし翌朝まで残りやすく、日中も眠気や倦怠感が続いてしまうことも珍しくありません。さらに、副作用としてふらつきが出ることもあります。特に高齢者の場合は骨折の危険があるため、転倒に注意が必要です。また、睡眠薬はあくまでも一時的な不眠に使うもので、継続的な服用には向きません。使う時は2~3日程度の短期間にとどめましょう。
漢方薬
睡眠薬が短期的に使うものであるのに対して、漢方薬は継続的に服用するのが基本です。漢方薬は不眠の原因となっている体質を改善するので、不眠症に対して根本的なアプローチができます。即効性はあまりなく、効果があらわれるまでに時間がかかりますが、副作用は比較的起こりにくいとされています。不眠の漢方薬にはいくつかのタイプがあり、それぞれの不眠症状に合わせて最適なものを選びます。ここでポイントとなるのが、専門家の存在です。
漢方薬は体質に合わせて処方するものであり、服用期間も薬の種類や飲む人によって異なります。そのため服用の前には専門家に相談し、漢方薬の種類や服用期間を決めていきましょう。
漢方における不眠のアプローチ
漢方では不眠にどのようにアプローチするのでしょうか。中医学においては、不眠症には心(しん)・脾(ひ)・肝(かん)という3つの臓腑が深く関係しているとされます。これらの臓腑が何らかの原因でうまく働かない場合に、不眠の症状があらわれると考えられているのです。ここでは漢方薬の心・脾・肝それぞれに対するアプローチを紹介します。
心
漢方において、心とは心臓とこころ(精神)を意味しています。心臓は血(けつ)を全身に送り、養分を届けている場所です。そのため心の機能がうまく働かないと、全身に血の栄養が行き渡らなくなり、不眠に至ります。また血はこころの栄養でもあるため、精神の安定のためには心の働きが欠かせません。心の機能がうまく働かないと、不眠とともに不安感、ドキドキ、イライラなどの症状が出やすくなります。漢方薬は心の機能を整え、精神的に安定させることで不眠の改善に役立ちます。
脾
脾とは胃腸という意味です。胃腸の働きが弱まると、消化吸収が悪くなり血の生成低下が起こります。脾が不調の場合にあらわれる症状は、消化不良や食欲低下、疲れやすいなどです。暴飲暴食やストレスが原因で脾の機能低下を招くこともあります。正常に消化吸収が行われないと、胃に食べ物が留まり、ムカムカ感やゲップ、吐き気などを引き起こします。結果としてよく眠れないため、不眠につながるのです。
肝
「肝」は、感情や自律神経と密接な関係があります。また血を貯蔵したり、浄化したりする働きも担っています。肝がうまく働かないと気血のバランスが崩れて流れが悪くなるため、心身の不調が生じるのです。肝にトラブルがあると、感情の高ぶりやイライラなど精神的な症状が出て、不眠につながります。
漢方についての理解を深め、心身ともに健康な状態を目指してみましょう。
不眠といっても症状は一つではありません。漢方で不眠を解消するためには、不眠の症状や体質に合う漢方薬を処方してもらうことが大切です。千幸堂の漢方相談なら、体質チェックと漢方理論に基づく問診によって不眠の原因を探り、体質に合った漢方薬を選んでもらえます。また女性スタッフが常駐しているため、女性ならではの体の悩みを相談することもできます。漢方服用を始め、ほかの薬やサプリメントとの飲み合わせ、ちょっとした不調など、何でも気軽に相談できるのもポイントです。
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